大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和43(あ)883 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人Aの弁護人松本一郎の上告趣意中、判例違反の主張は、原審が所論の点に

ついて判断していないので前提を欠き、その余は単なる法令違反、事実誤認の主張

であつて、刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。

被告人A本人の上告趣意は、事実誤認の主張であつて、同条の上告理由にあたら

ない(記録を調べても、同被告人の検察官に対する供述調書に任意性を疑うべき点

は見出されないとした原判断は相当である)。

被告人Bの弁護人木村利栄の上告趣意第一点は、憲法三六条違反を主張するが、

無期懲役刑が、同条にいわゆる残虐な刑罰にあたらないことは、当裁判所大法廷判

決(昭和二三年(れ)第二〇六三号、同二四年一二月二一日、集三巻一二号二〇四

八頁)の明らかにするところであるから所論は理由がない。同第二点は、憲法三八

条二項違反を主張するが、記録を調べても、同被告人の検察官に対する供述調書に

任意性を疑うべき点はないとした原判断は相当であり、また、同被告人の第一審公

判廷における自白にも任意性を疑うべき点は見出されないから、所論はその前提を

欠き、その余は、単なる法令違反の主張であり、同第三点は、事実誤認、単なる法

令違反、同第四点は、量刑不当の主張であつて、いずれも、刑訴法四〇五条の上告

理由にあたらない。

被告人Bの上告趣意のうち、憲法三八条一、二項違反を主張する点は、記録を調

べても、同被告人の検察官に対する供述調書が任意性に欠けるところはないとした

原判断は相当であるから、所論はその前提を欠き、同条三項違反を主張する点は、

原判決の引用する一審判決の挙示する証拠によれば、被告人の自白のみで有罪とし

たものでないことが明らかであるから、これまたその前提を欠き、更に、判例違反

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を主張する点も、引用の各判例は、本件と事案を異にして適切でないから、その前

提を欠き、いずれも上告適法の理由とならない。その余の論旨は、憲法違反を主張

する点もあるが、実質は、すべて、単なる法令違反、事実誤認の主張であつて、刑

訴法四〇五条の上告理由にあたらない。

よつて、同法四〇八条、一八一条一項但書により、裁判官全員一致の意見で、主

文のとおり判決する。

昭和四三年一〇月三一日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 松 田 二 郎

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 岩 田 誠

裁判官 大 隅 健 一 郎

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